
不老長寿の ほら貝祭
毎年4月15日、若松区乙丸の貴船神社にて、ご神体のほら貝からお神酒をいただき、不老長寿を祈願する「ほら貝祭」が行われます。
境内には八重桜が美しく咲いています。家族そろってお参りください。
ほら貝祭
◆日時:4月15日(火)祭典10時〜(祭典後凡そ12時までほら貝からお神酒をいただくことができます)
◆場所:貴船神社(北九州市若松区乙丸910番地)
◆問い合わせ:狩尾神社 093-223-0952 もしくは 日峯神社 093-603-1775
『不老長寿のほら貝伝説』
毎年4月15日、若松区乙丸の貴船神社で、ご神体のほら貝からお神酒をいただき、不老長寿を祈願する「ほら貝祭」が行われます。
この地区には「筑前國遠賀郡壽命貝 由来記」が伝えられており、それには天明2年(1782)5月、筑前芦屋の商人が奥州津軽で600余年も生き続けた 女性に会った話が記されています。
『ほら貝祭の民話』
一人の商人が津軽の山路で道に迷い、女に一夜の宿を頼みました。女は筑前の生まれというその男を懐かしんで家に案内し、語り始めました。
「私は筑前山鹿の近くの庄の浦に住んでいた海女の子です。ある時、私は病に倒れ、明日をも知れぬ命となっていましたが、孝行な子供達がほら貝を採って帰り、料理をして食べさせてくれました。 おかげで元気を取り戻し、それからは病気一つしなくなりました。そして、いくら歳月が流れても老いの兆しもなく、あれが不老不死の薬だったのではと思っているうちに、早や600年余りが過ぎ てしまいました。
夫も子も孫も皆死んでいくのに、自分一人歳をとることもなく、生きるつらさに何度死のうとしたかわかりません。住みなれた村もだんだん住 みにくくなったので、諸国の神社や寺院にお参りすることを思い立ち、一人で各地を渡りあるきました。ある所では夫婦になって暮らしたこともありますが、私が歳をとらないので化生の者と怪しまれ、こっそりと抜け出したことがあります。諸国を転々とするうち津軽に来て、断りきれずに、この家の主人に嫁ぎました。
私が故郷を出る時、ほら貝を形見として小さな祠に納めて参りましたが、今ではどうなっていることでしょう。祠のそばに船留めの松というものがありましたが、松は千年といいますから今でもあるかもしれません。あなたがそこに行くことがあったら、私の子孫でもいればこの話をしてやってください。」
商人はこの年の10月、庄の浦を訪れ、子孫の伝次郎という人に会い、この話を伝えました。


